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六月十六日
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LIFE IS PICNIC
- SHORT STORIES -
数のなぞなぞ、デンマーク一月
知らない土地に来たとき、匂いを嗅いでみる。耳をすませてみる。風は吹いているか、空気は寡黙か、おしゃべりな街か。

その街に来て、翌日から、朝早く起きて散歩するのが日課だった。初冬のデンマークでは、日の出は七時過ぎ。まだ夜のまま暗い街は、灯を点したショーウィンドウが浮かびあがっていた。まだ、明らかに夜の顔をしていた。

31番地。家の扉の番地には表情があり、それぞれの家で、たまたま授かった数字に、家ごとに、独自の飾り文字をあしらうところには、愛着を感じる。

面白いデザインのサインを探しながら散歩するうち、また、ここへ戻ってきてしまった。

裸の王様は、夜も終わるころ… –– アンデルセンの生まれた街にて

パンは、世の中がみな眠っている間に焼くものだ。砂糖は、子どもが目の覚めるころに、パンにかけろ。

立ち止まれば、数字の五。数字がいざなう街。

2014年初冬 デンマーク。
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